「田舎相撲」 加藤 利光
選評 : 全日写連関東本部委員 山本 敦美
これはどこかの神社の祭りの奉納相撲でしょうか。土俵でまさに勝負がつこうとしている一瞬の、押している人とそれをこらえている人の足元の力の入れようが素晴らしいですね。差し手を見ると、押している人はしっかり上手を取り、押されている人は回しが切れてとても厳しい状況です。 さあ、このあとここで寄り切るか、うっちゃるかといったところがとても楽しみです。しかし、この写真の一番いいところは、土俵下に控えている力士、その後ろで声援を送っている人達、さらにはその後ろにいるメガネのご老人、そういった人達が何とも言えない臨場感になっているところです。戦っている力士だけでなく、 応援する人達もとても力が入っていて、そんな勝負の瞬間を作者はのがさずシャッターを切りました。足元の土ぼこりも二人の激しい動きが感じられて、とてもいい作品だと思いました。
「田舎相撲」 加藤 利光