「真夏の思い出」 矢島一美

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

浜辺で繰り広げられた花火大会。浜辺に陣取る観客が手にしたスマホが小さな四角い光を点々と放っている光景が、今どきの花火風景である。花火の光に浮かび上がる波が白くカーブを描いているのも美しい。打ち上げる煙が層を作り、その下に観客、上は花火と、3層に描き出したことで、スケール感も出て、じっくり眺めて楽しめる写真になった。どこかゆったりとした気分の流れるこの心地よさは、まさに「真夏の夜の夢」とでも言おうか…。

 

「真夏の思い出」  矢島一美