「みたま祭り」(3枚組) 水野隆子

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 描かれている人物たちが組写真の中で動いている。面白い構成を作り出した。作者の力量を感じさせる作品である。浴衣姿で遊ぶ幼いのこの子たちにとっての「みたま祭」は、夏の楽しい催しの一つとしてここにある。コロナ禍で万灯だけをつるしたという特殊な事情も子どもたちにとっては関係ないのだが、画面からは、少し冷めた雰囲気も伝わってくるから不思議である。そしてそのことは、もしかしたら、撮影時も含めて、作者の「構成」意識が前面に少し出すぎたから、ということもあるかもしれない。