「どんど焼き終わる」 大川道雄

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 ひとしきり燃え盛ったどんど焼きの火を、最後まで見守る二人。新年初の行事を終え、今年も無事に歩みだしたことへの安堵感のようなものがしみじみと伝わってくる。白い煙が薄く伸び広がる中に、まっすぐに立った細い竹の先に差されたシンプルな餅花。「あっ、あるんだ」という感じなのだが、二人の男と並んで立つその姿にも心惹かれるものがある。餅花の青と白と薄いピンク色が画面いっぱいに広がったような、清楚で美しい色彩の作品である。