「巨大魚現る」  森田光衛

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 一見、手前の桜の木が満開かと思ってしまった。花筏を撮ろうと港に出向いたという作者。船溜まりの一角に寄せ集まった桜の花びら。作者には大きな魚にも見えたということだが、確かにそんなイメージもありそうだ。散って海に流れ出てまた集まっても色を失わず、港湾を飾る桜…。その様をややドキュメンタリータッチにフレーミングして見せている。長年「桜守り」として桜と関わってきた作者の面目躍如たる一枚とも言えるだろう。