「静寂を求めて」  鳥羽 明

選評 : 全日写連関東本部委員  山本 敦美

 紙垂と注連縄を大きく手前に配して、奥に鳥居が幾つも連なって見えます。大きな木々で光が遮られた鬱蒼とした境内は暗くて様子が定かでないが、人が1人奥に向かって歩いて行きます。何連かの注連縄と紙垂が張られた薄暗い参道とその奥に鎮座するであろう社はシーンと静まり返り、想像するだけでも「充満した霊気」で鳥肌が立ち、身震いしそうです。この境内の奥にはいったい何があるのだろうか。でも入って行くのが少しためらわれる。そんな神域の気配をモノクロで上手く表現出来たと思います。