「まなざし」 望月導章

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 豆画伯たちによるパフォーマンス。ガラス板にクレヨン(後で簡単に消せるものらしいが)で絵を描いている3人の子供たち。夢中な様子が目元、口元、手元によく表れている。絵を描く人物を正面から見ることがこうすればできるのだと改めて撮影者のアイディアに感心してしまう。しかも彼らは、カメラを構えているこちら側には「目もくれない」で集中している。見えているはずなのだが…。ガラスには外の景色が写り込み、彼らの描く線画と微妙に絡み合っているところなど、レイヤーを何枚も重ねたようで、画面が造形的にもうまく作り出されている。おじいちゃんはいつも楽しいことを考えてくれる…。そして目の前で見守ってくれている…。このまなざしは、そのおじいちゃんとの素敵な絆のもとに生まれたものである。