「懸命」 渡邊修一郎

選評:全日写連関東本部副委員 神尾  一

SUPの練習風景であろうか、これだけの人数でSUPを漕いでいる光景は珍しい。それを見逃さずに、とっさにシャッターを切った作者の直観力と、画面対角線上にSUPと漕ぎ手達を並べた構図構成の巧みさは見事である。唯、光の具合が良くないので全体的に立体感が無く、水面の波紋の状態も躍動感に欠けている。それに加えて、かなり広範囲にトリミングをして居る為か、画像時代のシャープネスに欠けている。移動中のバスの窓のガラス越しに撮ったと言うが、作者が最初にこの光景を目にした時の感動と、出来上がった作品にそれが再現されているか、じっくり検討してみる事も今後の作品作りの為に必要ではあるまいか?