「麗らかな日」 近藤文徳

 選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 木漏れ日を顔に受け、一人ぽつねんと座り込んでいる幼子。その表情は少しいぶかし気にカメラマンに向けられている。その側に若い父親らしい人物が立ったままスマホをいじっている。だが、その後ろの太い木の幹と重なっていて姿形がはっきりしない。「あなた、一寸見ていてね」などと「子守」を頼まれたのだろうが、画面の父子の間の糸が瞬間ふっと途切れたようでどこか切ない。「今」という時代の隙間をとらえた興味深い作品である。