「幻花」 神尾 一
選評 作者コメント 神尾 一
元々この作品の構想は、去る5月に渡米した折に娘が紹介してくれた絵画教室の先生の展示作品からヒントを得た作品である。この多肉植物自体は日本の街中でも良く見掛けるので珍しくは無いが、正方形フォー マットの額に入った、この花特有の不思議な葉の色、形に思わず見入ってしまった。帰国後に自分のフォトアルバムを見返したら、最近のフォルダ―の中に、距離や、アングルを変えて撮影した数枚のカラー作品があったので、記憶を頼りにプリント時のトリミングと、カラーからモノクロへの変換で作品にしてみた。絵画は当然カラーであったし、筆者はカラー写真をモノクロ化して居るので、パクリとは言えまい(?)被写体に対する自分の抱くイメージに近づけるのに苦労した恣意的な作品である。因みに、この植物の名前は”おぼろ月”と言うそうで、おぼろげな葉色に由来するらしい。