「ご神木」 遠藤 啓
選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘
ご神木を挟んで左右対称のように、紅白幕と祭り人の姿をうまくとらえて印象的な画面を作っている。二人は揃いの浴衣に法被姿。左人はその法被に丸い影を背負って奥へと向かい、右人は法被の袖を少し上げて登場。こちらは両方の親指にテープが巻かれている。「しゃぎり」を終えたばかりだろうか…。静かな境内だが祭り本番を迎え、気を張った雰囲気が伝わってくる。そして堂々と中央にあるのはご神木。光を正面から受け、その存在感が見事だ。このご神木も左の男性の影が映ることで周囲とうまく溶け込んでいる。まるで老人の横顔のようにも、また象の顔のようにも見えて親近感がわいてくる。このご神木もまた喜んでこの祭りの日を迎えている。作者の狙い通りの、いや、狙い以上の作品になったに違いない。

