「白鳥と富士」 渡辺行庸

 選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 作品に強さがある。何といっても手前に大きくとらえた白鳥の首、頭、そして、くちばし。その切り取り、フレーミングが見事である。くちばしの朱色が雪の白や、白い羽毛、空の青、地面の濃い茶色などシンプルな組み合わせの中にあって、大きなポイントになって画面を引き締めている。さらにその朱色のくちばしが小さく奥に向かってリズミカルに並んでいき、さらに遠くの富士へと視線をいざなっていく。ここで冬場を暮らす白鳥たちの清新なドラマが緊張感をもって描かれた作品である。