「一文字」 鈴木裕子
選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘
これはこれは、なんという作品であろうか。「猫である」。作者の驚きが伝わってくる。まるで「一」という文字に見えるからである。「一」という文字の書き方を復習してみよう。「やや右上がりに」…なってる、なってる。また「入筆は約45の角度から行い」…これも近いぞ!そして「終筆部では、少し左上につき返し、軽く留め直し」…なっている。
「書き方の本」の通りではないか!「猫」そのものが「一」である。その見事さにあきれて何も言えなくなってしまった。
この作品の静けさはどこから来るのだろう…。文字の「一」そのもののもつ静けさなのだろうか。

