総評: 審査 清水哲朗(公益社団法人日本写真家協会理事)

 すべての作品を見終えた後に清々しく晴れやかな気持ちが広がりました。さすがは実力者の多い静岡県。特に上位は洗練され、完成度も高く、全国レベルのコンテストでも結果を残しそうな名作傑作揃いでした。良い写真は4秒以上目が止まると言われますが、視点、被写体との距離、光の捉えかた、空間処理、臨場感描写などが巧みで、物語を想像させたり余韻を与えたり、見る側を一瞬にして惹き込む能力がありました。人物を主題にした作品は表情の見えかたで評価が変わりました。横顔や後ろ姿を狙った作品は雰囲気が良くても表情が見えない分、最後のひと押しが足りないように感じました。写っている情報をタイトルにした作品も同様です。大きな減点とはならないにしても想像力をかき立てたり臨場感描写につながらなかったり印象面で損をしたかもしれません。写らない現場の情報(音、風、匂い、味、温度、湿度、感情など)を文字化したほうがイメージは伝わりやすくなります。また、内容は良いのに仕上げが雑だったり後処理が行きすぎていたり、低いプリントクオリティで減点された作品もありました。プリント審査ではその良し悪しが評価につながるため、最後まで手を抜かないよう気をつけましょう。3部門の中では「組写真」が視点、内容、構成と表現レベルが高く、静岡県写真展応募者の底力を感じました。

目録1カラー 目録2カラー 目録3モノクロ 目録4組