総評 : 審査員 土田ヒロミ

遠州は森の石松の生まれたところ。「喧嘩ぱやくて人情にゃ・・・」などと今や冗談にもいえない時代。史実の確証すらないらしいが、「遠州森の祭り」は、そんな豪勢な祭りだったようである。その面影が今も色濃く残っている応募作品が多かった。

中心の曳山の華麗で勇壮な作品以外に、獅子頭の乱舞、稚児やおかめヒョットコ、非日常化された市中の様子。撮影会という集団で撮ることで、かくもかように、多様な祭りの表情を捉えられる事にあらためて感嘆。写真表現は、基本的に個人だが個性のことなる大勢でアプローチすることの意味をあらためて確認した。審査は、そんな祭りの多面的な表情を現せるように注視しておこなった。受賞作だけに留まらず、多くの参加者の作品で展示会が企画されるといい。これこそ撮影会という集団作業の持つ真価が現れてくる筈。楽しみに待ちたい。

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