総評 : 審査員 清水哲朗
イベント撮影は主役、主題を何にするか(演者、観客、パフォーマンスそのもの)で印象はガラリと変わります。大道芸では「演者と観客の絡み」も魅せどころであり、面白さです。また、世界各地の路上で開催されることを考えれば、その舞台「地域の描写」があると臨場感も伝わり、その土地の魅力とともに大道芸を記録することができます。コンテストテーマが「大道芸の街 静岡」であればなおさらです。つまりパフォーマンスに注目するだけではなく、演者演目の周辺にまで目をやる余裕がある人ほど撮影の幅は広がり写真表現も豊かになるのです。同じステージでも使用レンズや撮影ポジション、シャッタータイミングの違いにより見え方が違うことも考えれば、パフォーマンスに合わせて柔軟に対応できた人ほど良い作品を生み出せると上位入賞作品を見て思いました。大道芸を何度も見たり撮影経験があったりすれば魅せどころも理解しているでしょうが、初見で見事活写できた人は日頃の撮影の成果と自信を持って良いでしょう。今回応募された268作品の中には自身のポテンシャルを発揮できず、大道芸に撮らされてしまった人も見受けられましたが、次回以降は今回の経験が糧となり傑作を残せると信じています。