「春近し」 山田 康

講評: 大西みつぐ

 山間部での暮しぶりが美しく、また丹念に描かれている3枚です。まん中の写真に住人を撮った写真を用いるというのは、定番の手法ですが、お母さんの笑顔が自然でいいと思います。また3枚ともプリントが丁寧で美しく、全体を通して写真や被写体に誠実に関わられていることがよくうかがえます。さらなる課題はこうした組写真の世界だけで満足することなく、ひとつの群、あるいはシリーズとして、個展に行き着くぐらいの覚悟で臨むことでしょう。