「天空の街」 林 邦良

講評: 大西みつぐ

 チベット・ラサあたりでしょうか。最近は武装した警官も駐留しているようで、穏やかさよりも緊迫感のイメージが強いご時世。しかしこの3枚は高地特有の空気感をよく表現しています。縦位置ながら映画の画面の切り替わりのように、籠の重なり、段々、光と影というようにきれいに3枚が続いています。まず一枚ずつが的確にまとめられています。しかしある意味で優等生的でもあります。こうしたバランスを打ち破るのも「表現」です。