「昼下がり」 山下久一
選評 : 関東本部委員 小野崎 徹
コメントで「平和な暮らし、のどかな生活、都会にはない佇まいが、なんとなく描写されていたと思う」ということですが、本当にそうですね。日向の部分の茅葺きのところ、手前の影になった住宅、そこに腰を降ろして多分居眠りでもされている人物、とても平和でのどかな光に満ちた作品だと思います。 明暗の差(手前の日陰と、向こうの茅葺きに当たる光)のコントラストがとても見事だと思います。光がとても良く回っていて、居眠りしている人の顔も潰れずに綺麗ですね。強い光の茅葺きの部分も、描写が飛ばずに綺麗に出ています。 光に満ちた夏ののどかな午後、そんな雰囲気を見事に捉えていると思います。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約)
「昼下がり」 山下久一