「窓の外」 山下久一

選評 : 関東本部委員 小野崎 徹 実はこの作品について山下さんは講評のしようがない写真だと書いていらっしゃるんですが、私は別にへそ曲がりでこの作品を選んだ訳ではないです。 これはシンプルだけど、上品な感じがします。ネットの向こうの朝顔、それも赤と紫に緑の葉っぱ、これが手前の光よけの網で程良くマスクされていて、日本画の墨絵に色を付けたような雰囲気があります。 矢張り、仰るように手前の窓の格子がちょっと強いかなという気もしますが、縦の線がアクセントになっているとも言えると思いますね。窓枠の下の横の線が5~6ミリ横切っていますが、これはない方が良いと思いますね。 一瞬見たときに、あれっと思うような作品ですね。良く此処を切り取ったなと思いますね。矢張りこれは写真で表現できた良い着眼ではないかと思いました。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約) 

「窓の外」 山下久一