「冬の影」  古池貞夫 

選評 : 関東本部委員 小野崎徹

竹の影が曲線になって、道路に写っている。これは花のトンネル(アーチ)を作るための生け垣が冬枯れで寒々しく影だけになっているのですかね。でももうこの影がなかなか面白いですよね。良いところに目を付けたなと思います。なかなかシュールな影です。もともと散策で、道路がカーブしてて、それに沿ってとても面白い曲線を描いています。 紅葉を撮りに行ったけど紅葉が良くなかったから、これが撮れたということですね。気持ちをぱっと切り替えて、紅葉がダメだからもう帰ろうというのではなく、そこでまたこういう被写体を探すことが出来た(出会った)。矢張り、カメラを持っていると、こういうところにも気持ちが働きますね。 今回、無駄なものがなく、きっちりと、これ以上トリミングの余地もないですね。影を大胆に取り入れ、影の曲線だけで構成した大胆さが良かったと思います。 珍しく、久しぶりの、フィルムカメラですね。(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約) 

「冬の影」 古池貞夫