「有東木の盆踊り」 村越敏治

 男衆ばかりの踊り手、まだ白々と明るい空、よく見かける盆踊りには見られない不思議な雰囲気が奇異。さすが国指定無形文化財の習俗。空が明るいにもかかわらず、提灯の明かりが、踊りの輪の中心に落ちて全体を丸く込むような空間を作りだしている。また遥かの山並みまでのぞめ、深い山間の集落であることが写されていているのがいい。旧い習俗としての盆踊りが持つ神事のイメージがよく表現されている。