「神事を終えて」 山田 康

 木陰に潜む妖しげな男、暗がりの後から美女が背中を見下ろし、男の顔前には、不可思議なオブジェ?鑑賞植物。男、女、植物を断ち切るという限界にまでフレーミングを絞り込んでいるので、ここでなにが起きているのか、一見では不明。しかし、闇に眼を慣らすように凝視してゆくと意味が解けてくる。祭の神官が、強い光の外から、屋内へ移動しているらしい。その白い衣装の背中に木陰の影が、ゆらゆら揺れ、何か妖しいものがと凝らすと、神官だ。場違いな女のポスター、その不思議な関係を直感的に切り取った反応リッチな身体能力がすばらしい。