「そらまち水族館」 和田千津子 

 水族館は、まさに異界。なかでもクラゲは捕らえどころ無い形状、無重力のような動き、つい魅入らさられる。その一部分をフレーミングすることで、具体から抽象の世界へ。かつて銀塩の時代は、暗い水槽、そこに白く輝くクラゲ、意外に素早い動きなどから、ピントやクラゲの透明な質感の表現は、難しかった。しかしデジタルは、水中写真にも福音だ。三枚の構成の中心は、色だ。それたが繋がり大きな宇宙の広がりを意識させられる空間表現がよかった。