「荒波に挑む」 加藤洋一

選評 : 全日写連関東本部委員 小野崎徹

冬の遠州灘でサーフィンをしている風景ですが、この手前の波が如何にも荒れた冬の海を良く捉えていると思います。水平線も凸凹していて、凄く荒れているなという感じが出ていますね。随分勇気のあるサーファだなと思います。

望遠レンズ200mmに2倍のテレコンを使って400mmにして、しかもこれはデジタルカメラだと、フルサイズでなければ実質1.5倍とかの焦点距離になる訳ですね。で、この望遠レンズの圧縮効果を、非常にうまく使っていると思います。

まるで一斉放水のような、この波頭から立ち昇る、風で吹き飛ばされたしぶきですね、その向こうを赤い帆のウインドサーファが、健気にも滑走してます。人物は良く見えないんですが、この赤い帆が非常に効果的ですね。この赤い帆を目立たせるために画像処理をしたということですが、適切な処理だと思います。

それから、波しぶきのちょっと薄いところにこのサーファが入っていて非常に印象的です。構図もぴたっと決まり、難しいシャッタチャンスですが、良く捉えてると思います。

なんといってもこのまるで浮世絵のような手前の波、これが凄味がありますね。素晴らしいと思います。

(録音テープによる講評を鈴木洋一が要約)

「荒波に挑む」  加藤洋一