「白鷺の舞」 加藤 洋一

選評 : 全日写連関東本部委員 小野崎 徹

こういった鳥の姿を上から見ることは珍しいですよね、普通は下から仰ぎ見るか横から見るか。優雅に見える白鷺も、上から見ると、羽根はこんな具合になってるのかと、ちょっと不思議な感じがしますね。これはちょっと高い位置から連写した中の一枚ということですが、一枚を選んで作品になるようにきちんとトリミングしています。これは左の方に対角線上に白鷺が飛び立っていくようにトリミングして、その対角線に沿ってぐうーっと斜め上に飛んでいく、そういうベクトルが働いています。

下の水田の黒く落ちた水面と、バックの土手の辺りが黒く落ちて、非常に、白鷺が目立っています。ぐっと浮き上がっていますね。それと、1600分の1秒という速いシャッタスピードできちっと止まっていること、それから、ピントもしっかり合っている、その辺がやっぱりこの作品の良さを更に高めていると思います。見事なカメラワークだと思います。

「白鷺の舞」  加藤 洋一