「飴せんべい」 宗像正人

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

大きな常夜灯の台座に腰かけて仲良し3人組がせんべいを食べている。その表情が様々で興味深い。もう一段高いところに座ってあらぬ方を見ている子の仕草、表情がこれまた実にいい。この子はどうしたのかな、と思わせる。それぞれの目線がバラバラなのが画面に変化を生み、味のあるバランスを生み出している。松や発泡スチロール箱や窓格子の一部、そして常夜灯と苔むした台座などの写るこの空間に、子どもが入り込むことなど、祭りという非日常の中でしか見られない光景に違いない。その非日常の断片をとらえたスナップショット。その腕の冴えを見せた秀作と言えよう。

「飴せんべい」 宗像正人