「スマイル」 水野隆子

選評:全日写連関東本部委員 中村明弘

夏の朝。浜辺をさわやかな風が吹き抜ける…。幼い少女が後ろの気配を感じ母親の腕からすり抜けて立ち上がろうとする。母親は体を寄せ、愛おしくてたまらないとように少女の腕にキスをする。振り向いた少女の安心しきった笑顔が何とも魅力的である。遠くに白い船、大きな海と空…。幸せに包まれた時間がここに結晶した。画面左を広く抜いたフレーミングの巧みさが、その空気感を作り出している。