「迎春」 水野隆子 (3枚組)

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

画面に広く入った3枚の空。それらの中に、左、赤い凧と冬樹。中央、白い太陽と一筋の光芒。そして右の、細い緑の松の木などが、それぞれ大事なポイントになって写しだされている。撮って来たものの中からそういうポイントのあるものを組んだものなのだろうか…。それとも組写真を意識しての撮影だったのか…。このフレーミングからすると、後者だったに違いない。左の親と子、中央の砂丘を登る人たちと走ってくる人、右のたくさんの小さな松の苗木たち…と、大事なものを拾うようにして撮っているのが分かる。正月の晴れた青空のもと、何か、明るい年であってほしいと願う作者の想いも伝わってくるような気持ちのよい組写真である。