「たいくつな午後」 望月導章

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

少女の定まらない表情を浮き上がらせているのはテーブルに当たる光の反射光だろうか。柔らかなその光こそが、この写真の命である。描きかけの絵や、ケースに並ぶ色鉛筆もこの写真の内容を膨らめている。差し込む陽光を背中に受け、少女だけの時間がたっぷりとここに留まっている。フレーミングの見事さは言うまでもない。

「たいくつな午後」 望月導章