「花見散策」 池田是伸

選評:全日写連関東本部委員 中村明弘

 スイセンの群生する中を楽しそうに歩く二羽のペンギンの姿が実に人間的で楽しい作品になった。もちろん彼らは至極真面目に歩いているのだろうが、その歩く格好が何とも面白い。前を行く一羽は、胸を張って陽光をいっぱいに受けて堂々たる姿である。後ろの一羽は、「口笛」でも吹いているのだろうか、ゆったりと周囲を見ながらのように歩いている。右足のつま先がちょっと上がっているのが「ランランラン♪」という感じで愉快である。水仙が群れ咲いているというロケーションが、一層楽しそうな雰囲気を盛り立てている。心癒される一枚である。