「ある休日」  藤田 寛司

選評 : 全日写連関東本部委員 中村 明弘

 意表を突くように真上から撮影した写真3枚の構成である。この場に立った撮影者自身の驚きも伝わってくるようだ。①ポーズする女性、女性にカメラを向ける男性。②河砂利に突っ伏す赤シャツの少年。すぐ側に座る女性。それぞれ砂利の感触を感じ取っているのだろう。まるでドローンででも迫って撮ったかのように思わぬところからの「攻撃」に、気づくはずもない。この撮影ポジションの面白さが創り上げた「見てしまった」というようなスリル感。①②が二人ずつで作る画面に対して③はスケボー少年が一人。しかし、その影と「二人」で画面を作っているというところが、面白い展開となっている。どうやら「コロナ」も一休みか…。休日を楽しむ人それぞれの、久しぶりののびやかな心持ちが伝わってくる爽やかな作品になっている。