「夢の入り口」  大石 洋

選評 : 全日写連関東本部副委員 神尾 一

 誠に不思議な写真である。小さな水滴の奥に虹色の玉が連なっている。作者によれば、歩道上に有った、歩行者の足元を照らす小さなライトを真上から撮った由。多分歩道上に平らに埋め込まれた物だろうから、直径はせいぜい10cm前後の大きさであろう。夜中の散歩中(?)に、この様な小さな不思議な被写体を見逃さずシャッターを切った作者の感受性に先ずは拍手!いわゆる”物撮り”の範疇に入るが、不思議な事には通常の物撮りとは異なり、唯物的ではなく、9つの虹色の物体の上に水滴が有る事によって、何か不思議な宇宙の片隅を望遠鏡で覗いている様で、神秘的な夢世界を表現している。正にタイトル通り、銀河系宇宙の入り口を示すかの様に、見る者に色々な事を想像させるファンタジックな優れた作品である。