「高みの見物」 斎藤成伸

 選評 全日写連関東本部委員 中村明弘

 一本足の案山子のような格好で外国人の男性が見下ろしているのは、バレーボールに興じる一群。遠くに背の高いビルがニョキッと立っていて、この見物人とビルとの対比が面白い画面を作っている。爽やかな秋の明るい光の下で、こんなにも平穏でのびやかな空間を一枚の中にとらえたことが素晴らしい。この空が、テレビニュースで見るパレスチナやウクライナの空と繋がっているのだと思うと、なんだかとても「不思議」な思いがする。