「次男です」 望月導章

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 「次男坊」って本当にこうなんだとうなづけるものがある。兄と弟の二人に挟まれた窮屈感と安心感の中で自由にふるまえる「ひょうきんさ」も持ち合わせている。写真は兄と弟がテーブルに向って何か静かな時間を過ごしている時も、その場の空気から逃げ出すかのように、突然こんな格好をしてしまう…。そんな孫たちを静かに見守りながら作者はそれを、ごく当たり前の光景としカメラを向けている。シャッターを切ることで彼を優しく受け入れていく。次男坊の心を見詰め続けてきた作者の、心の深い所からの思いの返信である。