「視点」 大石 薫

講評 : 大西みつぐ

 昨年の作品も力強いメッセージがありましたが、今回もそれに匹敵する女の子の「まなざし」にこちらははっとさせられます。彼女の瞳に「こちら」(つまり大人たち)はどう見えているのでしょう。そこには一個の人間として誠実な対応と関係がしっかり約束されていなければならないでしょう。彼女とこちらを遮るところにあるうっすらとしたポケの存在が気にかかります。何かを暗示させるかのような強い意志をもった「肖像」です。