「今日の収穫」 鈴木静子

 天草?の収穫か。未だ水が滴り落ちて重い、身体に余る海草が背に食い込む。ガラガラと大きな粗い石、荒磯であるらしい、足をとられながら1歩1歩陸へ。この激しい労働を、坦々と、繰り返す老婆の姿には、思わず合掌したくなる輝きがあったのではないか。逆光で身体のカタチを際ださせ、滴を光に。脚を思いきりカットしたのも、内容的なスケール感を広げる効果となった。