「小さな店」 北野旨基

 旧式なデザインの擦り切れたドア、ひん曲がった街灯、その横にぶら下がる裸電球。こじんまりと街角に位置しているが存在感は十分だ。ノスタルジックな抒景は、人を何故かほっと救うところがある、そんな体験だったのだろう。黒の濃度を高く、コントラストを付けたのが、古い木材のテクスチャーを強調するのに効果的、擦り切れた磨りガラスの質感も生きてきている。