「夕陽の中で」 齋藤作行

 古い町並に、夕日。影が長く尾を引いて夕闇までのほんの一刻の間だ。ちょっとお洒落した少女が黒塀に子ウサギの跳ねるように現われたのか?しっかり説得して止め、影の位置を確認し、背景の白い土蔵を僅かずらす。そんな細々として現場の判断を直裁に決め、撮影までもってゆく、手慣れた手法が感じられる。シンプルなポートレイトだからこそ作品かは、難しいモノだ。