「車窓」 後藤 尚

講評 : 土田ヒロミ

 闇のせまる富士の麓をもうスピードで走り抜ける新幹線。それを、あたかも停車しているがごとく、車窓の人物までが写し出している。銀塩の時代には、不可能であったがことが表現可能となっているイメージの好例だ。僅かに右から左への流し撮りだが、容易なことでは無いはず。相当何度も試行錯誤の繰り返しがあっての成功であろう。