「寒中禊ぎ」 工島 勇

講評:土田ヒロミ

天狗の山伏が禊ぎを引っぱっているが、後ろ向き。傾く御輿の榊、その逆に傾く槍、かつ柄の部分が人物等に掛って、写真を見る者の視線の前進を阻み、顔の個別の表情に入りこまない構造にとなっている。遠景が霞み、水平線も柔らかく霞む。それらが儀式性を高めているのが面白い。