「ひととき」 三ツ井 道代

講評:土田ヒロミ

凪いだ入江、夫婦で天草(てんぐさ)漁。永い人生、相思相愛、共に助け合って歩んできた二人の全てが写り込んでいる。笑顔は時として単なる記念写真に終わらせてしまうが、二人は作業の手元を止めることなく、同じような仕草でカメラに対応していて、まさに二人は今も現役。人生の深さを切り取ることに成功している。プリントの美しい静かな海が幸せのイメージを倍増する効果になっている。