「安穏」 勝又 鎮雄

講評 : 土田 ヒロミ

 日常の中のひっそりとした安らぎを見つめている。陰な揺らぎに身をよせて、モラトリアムな女が独りというイメージだが、作者が男性とは、驚いた。直截にビジュアルなものより、言葉と紡ぐ個性があるのであろう。ピントの不明や色の濁りも表現としていける自由さがいい。