「おさんぽ」 水野隆子

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

おばあちゃんの幸せそうな表情が美しい。神社の境内を歩く二人の楽しそうな想いが伝わってくる。ちょうど一段低くい所からの撮影となり、このローアングルが幸いした。地面がほとんど入らないで、二人の全身を大きくとらえ、おばあちゃんの肩から上が空に抜け、少し離れて社殿の一部と木々とが背景に収まり、ちょうどいい空間ができた。神社という大きな「静」を小さく、その中に、二人のかたまりとしての「動」を大きく表現できたことで、おばあちゃんと孫の強いつながりを一層感じられる作品となった。

 「おさんぽ」 水野隆子