「ことり娘」 鈴木裕子

 選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 小さな女の子が自分一人の世界に入り込んで「踊っている」…。踊ってはいないのかもしれないがそう見える。周囲はまるでこの子のためにしつらえた舞台のようだ。いくつもの噴水がリズミカルに水を噴き上げ、水路は曲線を描き、手前から小鳥たちのさえずりが…。上下に二分された明暗の対比、その中に光る噴水、逆光に陰となって立つ少女、点々と散らばる小鳥たち…。画面から何か素敵な音楽でも流れているかのように、爽やかで心温まる作品である。