「釣り日和」      諸伏敏昭

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 温かな陽光を受け、港湾の静かな海に向かって釣りをする少年。その幸せそうな優しい笑顔に癒される作品である。コロナ禍にあってもここには、静かに幸福感が流れていく。日もよかったのだろう、少年の体にうまく光が回り、少年を浮き上がらせている。画面の斜めのラインがすべて少年の顔に収束しているのは偶然だろうか、少年のふっくらした顔、涼やかな目が、より一層強く印象付けられる構図になっている。いつの時代も、子供の幸せそうな姿は「救い」である。