「一番の冷え込み」 望月導章

選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘

 「一月は毎日写真を撮ることに挑戦してみよう!」という支部の「呼びかけ」に応えた冷たい朝の撮影。勤め先に向かうわずかな時間に、出会ったものを掬い上げるようにして撮っている。ある種の気軽さもあったに違いない、肩の力を抜いたようなフレーミングの①と③が、少し中心を外しながら、その場の空気感を丸ごとつかんでいる。中央は霜の降りた植え込みか何かだろうか、少し寄り過ぎの感はあるが、この青い葉も全体を通して美しい「青」に統一された魅力的な組写真を支えている。冷たい朝、ゆっくりと陽光が電車の窓や高いビルに当たり始め、また「今日」という日常が動き始めていく。