「青い海」 大石 洋
選評 : 全日写連関東本部副委員 神尾 一
早朝の駿河湾の波打ち際で写した由。午前6時頃の海岸での撮影と言うから、地引網によるシラス漁の様子であろうか。一番最初に目に飛び込んでくるのは、淡いブルーの色彩の中に浮かぶブレた漁船や海岸の人影・・・。一般的にカラーの組写真は色調を揃える事が一番難しいが、この作品ではそれが見事に達成されている、素晴らしいプリント技術である。そして、ブルーの色調で統一された春まだ浅い早朝の寒気が感じられ、波に揺られる船や海岸で網を引く人達をブラした事で、静かな中にも躍動感が溢れている。色調とブレ表現が見事に一致した秀逸な組写真である。