「天空の眼差し」 神尾一

作者コメント

 

コロナ禍の3年間で、世界の有り様も、日本と言う国、そこに暮らす人々の生活も大きく変化してしまった。そんなやるせない気持ちを断ち切るべく、数年振りに上京して、行く当てもなく、カメラ片手にブラついて居たら、竹下通りを通り抜けて表参道に出た。表参道はブランドショップ店が軒を連ねる華やかな通りであるが、行き交う人々、ショーウィンドウの中の豪華な商品やイルミネーションも、気のせいか昔の輝きは無い。そんな黄昏時の空を見上げたらこの看板が目に入った。人工的で無機質な瞳が、今現在の日本の有り様を象徴して居る様で思わずシャッターを押していた。