「木霊(こだま)」(3枚組) 竹之内範明
選評 : 全日写連関東本部委員 中村明弘
木霊とは樹木に宿る精霊のことである。この作品では、森に生きる樹木たちの発する何ものかを感じ取った作者の「畏れ」のようなものが表現されている。①はまるで意志を持っているかのような木々の幹のうねり。そして群れてひしめき合う声が聞こえてくるような枝の伸び広がり、葉の繁り…。②は、永い時の経過を思わせる幹の皮の複雑な皺模様。そして外界に対する頑丈な盾でありながら柔らかな芽を生み出す幹の姿。①と②からはそういう樹木への敬意と畏れのような感覚が…。③は霧の中に木々の枝の重なりの美しい風景。しかしそういう美しさの持つ言い知れない不安のようなものが広がってくる。この作品はそういうものをも含めて「木霊」としたのだろう。3枚ではまだまだ表現しきれない世界である。持続的なテーマの一つにして、追究していきたいものである。




